ferme urbaine florale 都会にある花畑 ~パリで育てられた花
2019年の終わりころ France5の 'Silence ça pousse ! ' というテレビ番組で紹介されてずっと気になっていたFerme urbaine florale ( 都会の花農園 ) 。先日赴く機会がありました。
メトロ11番線のポルトデリラ (Porte des Lilas) 駅下車、歩いて約5分、事前にもらっていた案内メール通りに進んで、やっと見つけてたどり着きます。
この花農園はパリ市のコンクール(Parisculteurs)で選ばれたプロジェクトで
1980年代に建設された病院 Hôpital Robert-Debré のテラスにお花畑を作るというものです。実現させたのは二人のガーデナーのRomain FélixさんとTran Phi Vuさん。
当日出迎えてくださったのはフェリックスさんでした。花の受け取りと同時に希望者
には農園の簡単な案内をして下さるということだったので希望しますと伝えていました。
階段を登って行ってたどり着くと、思っていた以上に広い緑の丘がありました。
北西に森林公園、北東には病院の建物の遠く向こうにリラやプレサンジェルヴェの街が見え
ます。入り組んだ段々畑のようで、太陽が一日中当たる、植物の生育に最適な場所だと
思えました。
かつては、このテラスで植物達を管理していくのは経済的に難しく何年も手つかずのまま放置されていたそうです。
そのためこの広い土地を耕し直して、花の生育環境を整えるには相当な作業が必要だったのは想像がつきます。
フェリックスさんが語って下さったことで特に印象的だったのが、この地域の生態系を守るために この場所からも見渡すことがきる、北東の公園 (Parc de la butte du chapeau rouge だと思われます。) から土や木などの材料を投入したということでした。
なるべく外来種を寄せ付けず、もともと存在するコロニーに影響を与えないために。土はこの地を耕すにつれて20-30センチほど地表が上昇したそうです。
数種類のものだけを大量生産する農園とは異なって、現在1200m2の土地で200種類もの植物を育てているそうです。
~zéro-carbone, cultivées à la main, sans aucun produits chimiques et livrées à vélo ~
無駄なエネルギーを使わないため機械の導入はせず、すべて種まきから収穫、お花が届けられまで、すべて人の手で もちろん無農薬、プラスチックの包装、ごみになるものは一切なく、配達は自転車🚲 注文があった分だけお花を収穫し、地産地消であること。
この農園ではエコロジーに関するすべてが徹底されていて、お二人の決心がとても強いものなどなと感じました。
もともとはこのテラスは病院で働く方、患者さん達に安らぎを与えるために設計者が考えて造られたもの。
このテラスを甦らせてエコロジーな都市農園の実現すること、新たな経済スタイルを成立させてこの農園を維持管理することが、彼らお二人のガーデナーの目標だそうです。
この花農園で彼らが花を栽培し、販売してお客さんの手に渡るまでのサイクルが彼らを支えることになり、この病院のテラスに緑の命を吹き込むことになる、とても夢のあるプロジェクトだと思いました。
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